体験するヘルスケア研修のススメ

2026年08月07日

久保さやか

健康経営は、実践に変えるところが難しい

健康経営とは、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。企業理念に基づいて従業員への健康投資を行うことが、従業員の活力向上や生産性の向上といった組織の活性化をもたらし、業績や株価の向上につながると期待されています。経済産業省は、平成28年度より健康経営優良法人認定制度を創設し、認定を取得する企業は年々増えています。

健康経営優良法人認定企業の多くは、ヘルスリテラシーの向上を目的に、管理職や従業員に研修の機会を設けています。コロナ禍以降はオンラインセミナーの形も増え、実施のしやすさから主流になりつつあります。

ただ、研修で説明を受けた後に、その内容が働き方や生活の仕方に反映されているかというと、心もとないところがあります。知識として知っていることと、実際にやってみることは違います。

従業員の健康が組織の活力や生産性につながるという説明も、自分の体調と会社の数字がどうつながるのか実感できる場面がなければ、抽象的なままに終わってしまいます。

健康経営ゲーム®という選択肢

そこでご提案したいのが、健康経営ゲーム®を使った体験型ヘルスケア研修です。健康経営ゲーム®とは、参加者が架空の会社の経営を疑似体験する、体験型のシミュレーションゲームです。

参加者は社長、人事部、管理職、一般社員といった役職に分かれ、それぞれの立場でチームの目標達成を目指します。

ゲームの中では、会社の資金だけでなく、社員一人ひとりの体力や精神力も数値として扱われます。無理な働き方を続ければその数値は下がり、仕事が進まなくなります。一方、十分な体力と精神力があれば、仕事の成功確率もあがり、チームの目標達成に近づいていきます。

参加者は、従業員の立場と経営する立場の両方を経験します。モチベーションやパフォーマンスの変化を、説明として聞くのではなく、自分が動かすプレイヤーとして体験することになります。

ゲームの中で起きること

健康経営ゲーム®の実践後、参加者からの感想の一例をご紹介します。

「利益を優先するのか、健康を優先するのか、そのバランスに悩んだ」

「チームで仕事をするには、お互いに声を掛け合い、情報を共有することが大事」

体験できるのは、健康と経営の関係だけではありません。仕事をする楽しさや、チームで働くことの難しさと面白さも、同時に味わうことができます。ヘルスケア研修は受講者が興味を持てなければ途中で関心が薄れがちですが、目標達成を目指してチームで動くうちに時間が過ぎ、最後まで前のめりに参加する姿が見られます。

健康と経営が重なるところ

健康経営には、従業員と経営層の双方にとっての意味があります。

従業員にとっては、自身の体調を考慮した働き方を選択できること、不安を抱えながら働くことを防げること、そしてモチベーション高く働けること。経営にとっては、選ばれる会社になり長く働き続けてもらえること、従業員のパフォーマンスが存分に発揮されること。この二つが重なるところに健康経営があり、企業価値の向上や、企業の維持と成長につながっていきます。

この重なりは、説明を聞くだけでは自分のこととして捉えにくいものです。ゲームでは、両方の立場を行き来しながら、その関係を確かめていくことになります。

体感が、実生活のヒントになる

健康経営ゲーム®を受けて、すぐに健康になったり、仕事の仕方が変わるわけではありません。ただ、体力や精神力が仕事の成果にどう関わるのかを数値の動きとして目の前で見ているため、健康と仕事の関係に実感が持てるようになります。自分の職場や仕事に置き換えたときのイメージもつかみやすくなります。

振り返りの時間には、ゲームでの体感をもとに、明日からの働き方や生活に活かせるヒントを探していきます。どこで休息を取るか、誰にどう相談するか、チームの状況をどう共有するか。ゲームの中で手応えのあった動き方は、そのまま職場で試せるものになります。

健康と仕事のつながりに実感を持てる人が、社内に一人ずつ増えていく。健康経営を制度から実践へ変えていくのは、その積み重ねだと思います。

一覧に戻る

お問い合わせ

研修プログラムのご相談から、社内教育のお悩み、こんなことできる?
といったご相談まで柔軟に対応いたします。お気軽にご相談ください。

まずは相談する
PHP Code Snippets Powered By : XYZScripts.com
Back to top